ドイツ・ミュンヘン 展示会レポート-TrendSet
2023.01.20![](https://third-scope.com/wp-content/uploads/2024/06/230111_m-scaled-1.jpg)
河合 彩乃、瀧澤 結梨果 著
ドイツ・ミュンヘンで2023年1月7日〜9日に開催されるインテリア、インスピレーション、ライフスタイルのための国際見本市 TrendSetにて、Third Scope Europeの社員が現地コーディネーターとして出展協力するとのことでお声がけいただき、同行し視察しました。
TrendSet
インテリア、インスピレーション、ライフスタイルのための国際見本市で毎年夏と冬に開催。
60年の歴史があり、ヨーロッパを中心に40カ国から2,500社の企業が出展しています。
日本からの出展企業:6社
※ JIYUDIZAI以外は全て現地スタッフでの対応
- Anvenor
日本・インドからインスピレーションを受けたお線香やお香をメインとした商品販売。 - Hachiman
岐阜県郡上八幡に拠点を持つ。プラスチック・インテリア雑貨製品の設計・製造。 - Honey Ware
富士ホーローが手がけるオリジナルブランド。キッチン用品・雑貨の販売。 - KAI Europe GmbH
1908年に関市で創業。100年にわたり切れ味と機能に優れた刃物などのカトラリーや関連製品の開発・販売。 - Kyocera
キッチン用品(セラミック包丁など)の製造・販売。展示会協賛企業。 - JIYUDIZAI
当社社員が出展協力。空き家を取り壊した際に出てくる着物を再利用されているプロジェクトを運営。今回、茨城県の助成金を活用し、出展されました。
視察で感じたこと
日本人の売りたい”日本らしさ”とヨーロピアンの求める”JAPAN”のギャップ
今回の出展内容が”日本らしさ”の代表である着物だったのもあり、より大きく感じました。
地理的に近く、歴史的にも交流の深い中国や韓国をはじめとしたアジア各国の高い解像度とは違い、ヨーロッパでの日本といえばSUSHI・TOKYO・MANGA・HOKUSAI程度です。
日本製の商品が高品質なことや彼らとは違う文化であることは知られていますが、日本人の多くがヨーロッパ諸国の区別がつかないのと同じように、ヨーロピアンも日本・中国・韓国の区別がつきません。
余談ですが、視察中に話したご婦人は我々が日本人だと知ると、私のスマホSAMSUNG製なの!と見せてくれました。ご存知の通り、SAMSUNGは韓国企業です。しかし我々も彼女がドイツ人なのかオーストリア人なのかはたまた別の出身なのか区別はつかなかったので、お互いさまというところでしょう。
そんな中で日本のKIMONOです!と見せられても、ヨーロピアンが全てを理解できるとは限らないのです。しかし日本人もスコットランドの民族衣装を渡されたらうまく活用できるでしょうか?そもそもどの国のものなのか判断がつく人がどれだけいるでしょうか。でも、”イギリスのスコットランド地方で作られた伝統的なキルトです”と説明と扱いやすい状態で受け取れば、色々と使い方のアイデアが浮かぶかもしれません。
要するに文化的なギャップが大きすぎて、そのまま受け取るにはレベルが高すぎるのです。相手の文化に沿った活用方法をこちらが提供することによってギャップを埋め、扱いやすくするという部分に業種にとらわれない商機があるのではないかと感じました。
(河合)
現場に足を運び、見えてきた問題点と課題
ドイツまで足を運び、とても正直な感想を述べる。今回の展示会において、メインでお話を聞かせていただいた日本からの出展者の1人であるJIYUDIZAIさん。その展示ブースを見ても、やはり日本から遠い異国での出展はとても難しいチャレンジだったのだと察した。
JIYUDIZAIの代表である本谷さんは、今回のプロジェクトに関してしっかりとしたコンセプトを持っていた。しかし、それを海外の展示会でどのような相手を “ターゲット” とし”説明”し、”みせていく”のか。それを限られた時間の中、言葉の通じない、文化も違う遠い地で手元にある資金をうまく使い表現する難しさは、話を聞く上で理解するのに時間はかからなかった。海外に拠点を置く企業に、出展に関するリサーチを依頼したが費用と成果が見合わなかったこと、慣れないドイツ語や英語のパンフレットやポスター、webの制作を手探りでこなしたこと。
「もし、そんな部分を安心して総合的にワンストップでお願いできる企業がいれば」
それは、海外進出を目指す一部の日系企業の代弁であると感じた。
発見した課題から、 Third Scope Europeとしての強みを引き出す
そもそも、Third Scope Europeの強みとは何か。それが今回の課題と合わさることでさらに鮮明に見えてきた。日本に本社をもちながらヨーロッパをベースとする我々は、当然日本語話者であり、メンバーの特色として多方面に対応できるクリエイティブ力と海外生活で得た国際感覚、そしてヨーロッパをベースに様々な分野で活躍している日本人との人脈を持ち合わせている。
我々らしく、 Third Scopeの遺伝子を引き継ぎながらThird Scope Europeとして、どのようにヨーロッパの地でビジネスを展開できるのか?を考えてきたが、ここで新たな理想とするビジネスモデルが生まれた。
(瀧澤)